高機能でかつ軽快に動作するカレンダーFullCalendarをNuxt.jsで使う

公開日:2019/09/19 更新日:2019/09/19
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はじめに

Nuxt.js(フロントエンド)とRails API(バックエンド)で構築しているWebサービスにて、Nuxt.js側から読み込んだRails APIのデータを元にカレンダーを表示する必要があり、良いライブラリを探していたところFullCalendarを見つけました。FullCalendarはVue.jsにも対応しており、Nuxt.jsでも簡単に使用できました。この記事では、Nuxt.jsでFullCalendarを使うまでの手順と簡単な使い方をまとめます。

できるようになること

Nuxt.jsで以下のようなカレンダーを表示できるようにします。

sample-demo-fullcalendar.png

前提と環境

各バージョンは以下の通りです。

  • Nuxt.js : 2.9.2
  • Node.js: 10.16.0
  • fullcalendar: 4.3.1

FullCalendarの公式サイトは以下です。

fullcalendar.io

the most popular full-sized JavaScript Calendar

FullCalendarをインストールする

npmでインストールします。

$ npm install --save @fullcalendar/vue @fullcalendar/core @fullcalendar/daygrid @fullcalendar/timegrid @fullcalendar/interaction

FullCalendarでは、色々な機能に合わせてモジュールが用意されています。上記では最低限必要となるモジュールのみインストールしています。その他の機能と対応するモジュールについては以下の公式ドキュメントに各機能毎に分かれて記載されているので参考にしてみてください。

fullcalendar.io

FullCalendar offers the following packages:

FullCalendar用のプラグインファイルを作成する

FullCalendarの設定をまとめておくプラグインファイルを作成します。Nuxt.jsアプリのルートディレクトリにpluginsディレクトリがあるので、そこにvue-full-calendar.jsという適当なファイル名で以下の内容を記述します。

plugins/vue-full-calendar.js
import Vue from 'vue'
import Calendar from '~/components/Calendar'

Vue.component('full-calendar', Calendar)

上記のimport Calendar from '~/components/Calendar'で指定しているコンポーネントは以降で作成します。

nuxt.config.jsに設定を追記する

作成したvue-full-calendar.jsをNuxt.jsアプリで読み込むために以下の記述をnuxt.config.jsに加えます。

nuxt.config.js
module.exports = {
  mode: 'universal',
// ...省略...
/*
  ** Plugins to load before mounting the App
  */
  plugins: [
     // 以下を追記
    { src: '~/plugins/vue-full-calendar', ssr: false }
  ],

// ...省略...
}

FullCalendarのコンポーネントファイルを作成する

FullCalendarのカレンダーを表示するコンポーネントファイルを、componentsディレクトリ下にCalendar.vueという名前で作成します。

components/Calendar.vue
<template>
  <FullCalendar default-view="dayGridMonth" :plugins="calendarPlugins" />
</template>

<script>
import FullCalendar from '@fullcalendar/vue'
import dayGridPlugin from '@fullcalendar/daygrid'
import timeGridPlugin from '@fullcalendar/timegrid'
import interactionPlugin from '@fullcalendar/interaction'

export default {
  components: {
    FullCalendar
  },
  data () {
    return {
      // 使用したいプラグインを以下で指定。事前にimportでインポートする。
      calendarPlugins: [ 
        dayGridPlugin,
        timeGridPlugin,
        interactionPlugin
      ]
    }
  }
}
</script>
<style>
@import '~/node_modules/@fullcalendar/core/main.css';
@import '~/node_modules/@fullcalendar/daygrid/main.css';
@import '~/node_modules/@fullcalendar/timegrid/main.css';
</style>

FullCalendarのカレンダー表示を確認する

あとは、以下のような適当なページを作成し、を読み込みます。ここでは、適当にschedule.vueというページを作成しました。

pages/schedule.vue
<template>
  <section class="section">
    <div class="columns is-mobile">
      <full-calendar />
    </div>
  </section>
</template>

<script>
export default {
  name: 'Schedule'
}
</script>

上記はシンプルな例ですが、上記のschedule.vueを表示すると、以下のようなカレンダーを表示することができます。

simple-demo-fullcalendar.png

以上で最低限の準備が完了しました。以降では、FullCalendarのカレンダーをカスタマイズする方法ともう少し実用的な使い方を説明します。

FullCalendarをカスタマイズする

FullCalendarのカレンダーは様々なオプションが用意されており、カスタマイズ範囲が非常に広いです。以下のように、Calendar.vueFullCalendarに与えるオプションを変えることでカスタマイズ可能です。

components/Calendar.vue
<template>
  <FullCalendar
    default-view="dayGridMonth"
    :locale="locale"
    :header="calendarHeader"
    :weekends="calendarWeekends"
    :plugins="calendarPlugins"
    :events="calendarEvents"
    @dateClick="handleDateClick"
  />
</template>

<script>
import FullCalendar from '@fullcalendar/vue'
import dayGridPlugin from '@fullcalendar/daygrid'
import timeGridPlugin from '@fullcalendar/timegrid'
import interactionPlugin from '@fullcalendar/interaction'
import jaLocale from '@fullcalendar/core/locales/ja' // 日本語化用

export default {
  components: {
    FullCalendar // make the <FullCalendar> tag available
  },
  data () {
    return {
      locale: jaLocale, // 日本語化
      // カレンダーヘッダーのデザイン
      calendarHeader: {
        left: 'prev,next today',
        center: 'title',
        right: 'dayGridMonth,timeGridWeek,timeGridDay,listWeek'
      },
      calendarWeekends: true, // 土日を表示するか
      // カレンダーで使用するプラグイン
      calendarPlugins: [ 
        dayGridPlugin,
        timeGridPlugin,
        interactionPlugin
      ],
      // カレンダーに表示するスケジュール一覧
      calendarEvents:  [
        {
          title: '報告会',
          start: '2019-09-09T10:00:00',
          end : '2019-09-09T12:30:00',
        },
        {
          title: 'ミーティング',
          start: '2019-09-12T10:30:00',
          end : '2019-09-12T12:30:00',
        },
        {
          title: '打ち合わせ',
          start: '2019-09-18T13:30:00',
          end : '2019-09-18T14:30:00',
        },
      ]
    }
  },
  methods: {
    handleDateClick (arg) {
      if (confirm('新しいスケジュールを' + arg.dateStr + 'に追加しますか ?')) {
        this.calendarEvents.push({ // add new event data
          title: '新規スケジュール',
          start: arg.date,
          allDay: arg.allDay
        })
      }
    }
  }
}
</script>
<style>
@import '~/node_modules/@fullcalendar/core/main.css';
@import '~/node_modules/@fullcalendar/daygrid/main.css';
@import '~/node_modules/@fullcalendar/timegrid/main.css';
</style>

上記のカレンダーを表示すると、以下のようになります。日本語化しています。

sample-demo-fullcalendar.png

上記のカレンダーの右上にある、「週」をクリックすると、以下のように週間毎のカレンダーを表示することもできます。また、「日」をクリックすれば日毎のスケジュール表示となります。

weekly-grid.png

おそらく、上記コードで与えた色々なオプションと見た目の対応から各オプションの役割が分かると思います。@dateClick="handleDateClick"では、カレンダー上の日付をクリックした際に呼び出す処理になります。上記では、適当にダイアログを出して固定の名前でスケジュールを追加する処理を呼び出しています。これは実用性は全く無いため割り当てる処理を各自変更してください。 また、calendarEventsで与えているイベントがカレンダー上に表示されます。実際には固定ではなく、色々な処理でこのcalendarEventsを動的に作成して与えることになると思います。 なお、各イベントに含めることができる情報は多いため以降で補足します。

イベントとして含められる情報について

イベントとして含めることができる情報は多く、例えば以下のような情報を含めることもできます。

{
          title: 'ミーティング',
          start: '2019-09-12T10:30:00',
          end: '2019-09-12T11:30:00',
          url: 'https://virment.com',
          extendedProps: {
            department: '総務部'
          },
          description: '総務部とのミーティング'
        }

上記の情報のうち、urlは各イベントをクリックした時に遷移させるURLになります。例えば、urlにそのイベントの詳細ページのURLを指定すれば、クリックして飛ばしたりすることができます。 また、extendedPropsは独自のプロパティを含めることができます。イベントがクリックされた時の独自のプロパティの情報を表示させたりできるようになります。詳細は以下の公式ドキュメントに記載されています。

fullcalendar.io

A JavaScript object that FullCalendar uses to store information about a calendar event.

まとめ

FullCalendarは歴史が10年ほどあり、この記事に記載した基本的な機能の他にも、ドラッグアンドドロップでイベントを追加したり変更したりできるような機能も用意されています。おそらく大抵のことはできると思います。まだそれほど長期に渡って使ってはいませんが、今の所急にクラッシュしたり動作が重くなったりする症状もなく快適に使用できています。カレンダー機能が必要な方はぜひ使ってみてください。

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