rbenvとruby環境の構築手順

はじめに
WindowsのWindows Subsystem for LinuxでUbuntuを使いはじめ、その中にrbenvとruby環境を構築したのでその手順をメモします。
前提と手順概要
まずは、rubyのバージョン管理およびディレクトリ毎に異なるバージョンのrubyをインストールできるrbenv
をインストールします。そのあと、rbenv
を使ってrubyをインストールします。
以降の作業はUbuntuで行いました。UbuntuであればWindows Subsystem for Linux、仮想マシン、純粋なUbuntuのいずれでも同じ手順になります。思っていた以上に簡単に構築できました。
参考サイト
以下の公式サイトの手順ほぼそのままでいけました。 GitHub - rbenv/rbenv: Groom your app’s Ruby environment
準備
作業開始前に、事前にUbuntuにいくつかパッケージをインストールしておく必要があります。
rbenvのインストール
自分のホームディレクトリに移動し、rbenv
を~./rbenv
にgit clone
します。URLはhttps://github.com/rbenv/rbenv.git
です。
以下のコマンドでrbenv
のパスを通します。なお、Ubuntuの場合は以下のように
にパスを書き込んでいます。
CentOS等では、書き込み先が/.bashrc/.bashrc
ではなく~/.bash_profile
になりますのでご注意ください。
続いてrbenv init
を実行。以下のように表示されます。
上記で指示される通り、以下を実行。
その後、ターミナルを再起動します。Windows Subsystem for Linux を使っている場合は、単純にWindows Subsystem for Linux のコマンドプロンプトを閉じて再度開けばOKです。
もしくは、$ source ~/.bashrc
で再読込してもいけると思います。
次に、rbenv install
コマンドでRubyを簡単にインストールできるようにするために、ruby-biuld
をインストールします。
ruby-buildのインストール
手順は公式サイト(GitHub - rbenv/ruby-build: Compile and install Ruby)に従いました。
まず、ruby-build
のインストール先となるplugin
ディレクトリを以下のコマンドで作成します。
以下は$(rbenv root)
でrbenvのルートディレクトリ(/home/username/.rbenv
)が得られるので、それを利用してmkdir
のp
オプションも使って、単純にrbenv
のルートにplugins
ディレクトリを作成しているだけになります。試しにターミナル上でrbenv root
と実行すれば/home/username/.rbenv
というように結果が表示されると思います。
mkdir
のp
オプションは、必要に応じて中間のディレクトリもまとめて作成してくれます。
あとは作成したplugins
ディレクトリにruby-build
をクローンするだけです。
これでrbenv install
が使えるようになりました。
rbenvを使ってrubyをインストール
まずインストール可能なrubyの候補一覧を表示してみます。
大量に表示されますが、表示されるもののうち、2.5.1
のように数値だけ表示されているものがrubyのバージョンになります。
2018年5月27日時点では、2.5.1
が最新となるため、以下のようにインストールします。少々時間がかかります。
Installed ruby-2.5.1 to /home/vagrant/.rbenv/versions/2.5.1
と表示されればインストール完了です。
あとはrbenv global
でデフォルトで使いたいrubyのバージョンを指定します。
また、rbenv local
で特定のディレクトリ毎で使いたいrubyのバージョンを指定します。
最後に設定を反映させるためにrbenv rehash
rubyのバージョンを確認
以上で完了です。
なお、環境が適切かどうかを確認できるrbenv-doctor
というものがあるので、実行してみると以下のように表示されると思います。
遭遇したエラー
rubyインストール時にBUILD FAILED
以下のようにrbenv install
でrubyをインストールしようとしたところ、BUILD FAILED (Ubuntu 16.04 using ruby-build 20180329-3-g4dac7b1)
と表示されました。
これは、冒頭で書いた以下のパッケージがインストールされていないためです。上記のエラーメッセージの中にもインストールするよう指示が書いてあるので親切ですね。 指示通りに以下インストールで解決できます。
Checking rbenv install support: bash: line 114: command not found
rbenv-doctor
を実行時にChecking `rbenv install' support: bash: line 114: : command not found
と表示されました。これはruby-build
がまだインストールされていないために表示されます。ですので、もう一度ruby-build
がインストールされているか確認してみると良いと思います。
Checking for rbenv shims in PATH: not found
こちらもrbenv-doctor
を実行時にChecking for rbenv shims in PATH: not found
と表示されました。これはrbenv
のパスが通っていないことが原因です。もう一度.bashrc
にeval "$(rbenv init -)"
が追記されているか確認してみるといいかもしれません。私は、Ubuntuで間違えて.bash_profile
にパスを追記していたために表示されていました。echo 'eval "$(rbenv init -)"' >> ~/.bashrc
を実行して解決します。
まとめ
rbenvを使うことで簡単にruby環境を構築できました。当然かもしれませんが、Windows Subsystem for Linuxでも仮想マシンでも全く同様の手順でいけました。
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