ボットを導入するメリットは?ボット導入によって期待できる効果についての事例紹介
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はじめに
「ボット」という単語はもう広く知られていると思いますが、実際にその「ボット」というもので具体的に何ができ、業務に導入することでどういう効果、メリットを期待できるのか?とお問い合わせ頂くことが多かったので、「ボット」導入による効果の一例を簡単にまとめます。
注意事項
以降で説明する内容は、私がこれまでに携わったお仕事から得た知見についての内容となります。ボットを導入した方がどういう課題を持っていて導入することでどのような効果を見込めたかについてあくまで一例をご紹介する内容です。技術的な詳細やコードについての内容はありません。
ボットとは?
IT用語辞典のe-wordsによると、ボットは以下のように説明されています。
ボットとは、「ロボット」(robot)のIT分野における略語。人間による操作や作業を代替したり、人間の行為を模して人間のように振る舞い、自動的・自律的に行動するソフトウェアやシステムなどのことを指す
身近な例としては、iPhoneに搭載されているSiriやAndroidに搭載されているGoogle Assistant、AmazonのAlexaがあります。 これらは、「天気を教えて」や「今日のニュースを教えて」のようにユーザが何かをお願いするとそれに対して回答を教えてくれたり、何かしらの処理を実行したりしてくれます。
これら音声でユーザを助けてくれるボット以外にも、LINEやSkype、Facebook Messangerのようなチャット上でユーザから質問したり処理をお願いしたりできるものもボット(チャットボットなどと呼びます)です。 このように、「ボット」という単語自体は意味が広いですが、大雑把に言ってしまうと音声やチャット上のテキストのやり取りでユーザを助けてくるものです。
以降では、私が実際に制作したことのあるボットとそのボットの導入によって期待できる効果の一例を載せます。
電話に代わる窓口として活躍するLINEボット
レストランや美容院、英会話教室、リラクゼーションスパ等など、予約処理が発生するお店はその他にもたくさんあります。そしてこれらのお店は、予約の受付やキャンセルのために電話やメールを使って対応しているところがまだ多いと思います。このようなお店でボットは活躍できる可能性があります。 具体的には、電話による予約処理を例えばLINEのようなアプリ上で動作するボットに任せることができます。以下はイメージのため適当な画像やメッセージが入っていますが、お客さんはLINEでボットとのやり取りで予約時間の指定をして予約したり、キャンセル処理をすることができます。
このボットは、ユーザに予約したい日時を指定してもらった上で予約を受け付けます。受けた予約はボットが例えばGoogleスプレッドシート(オンラインで使用できるExcelのようなもの)などに即座に反映させることもできるため、お店側はGoogleスプレッドシートを見れば常に最新の予約状況を確認できるようになります。 店頭にこのボットをLINEに登録するためのQRコードを置いておけば、お客さんはQRコードを読み取るだけですぐにこのボットを登録できるようになります。 お店専用のアプリを開発するという選択肢もありますが、LINEのようにすでにお客さんが使っているアプリに友達登録するだけではじめれるというのはとても手軽で大きなメリットです。
解決しようとする課題と期待できる効果
上記のようなボットが、どのような課題に対して改善を見込めるかについて説明します。 まず、電話予約だと以下のような懸念や問題があります。
- お客さんになりそうな人の取りこぼし、お客さんが定着しないリスク - 電話対応可の時間が限定されていることが多い(例:10:00〜18:00のみ等) - 電話は日中は仕事で忘れてしまったり面倒に感じてしまったりするお客さんもいる - 電話自体が嫌なお客さんもいる - 繁忙時などで電話にでないことが偶然でも続くとお客さんは諦める可能性が高い
- 電話対応による手間、予約重複、キャンセル処理ミスなどのリスク - 繁忙時の電話対応は手間が取られる上にミスが出る可能性もある
そこで予約管理をLINEで行えるボットを導入することによって以下のような効果を期待できます。
- 24時間稼働による予約数の増加 時間が限定されないこと、日頃からよく使っているLINE経由にすることでハードルを下げることによって予約数の増加を期待できます。
- 予約管理を自動化することによる業務効率化、ミス削減 予約管理をボットに任せてしまうことで電話応対する時間を減らし、またミス削減も期待できます。
- キャンペーンなどのご案内ツールとしての可能性 これはお客さんの承諾を得た上での話になりますが、予約管理をするボットから、お客さんにキャンペーン情報などを通知することも可能です。ポイントとしては、ボットを友達登録することでお客さんにまずメリット(簡単に予約、キャンセルできる)を提供しつつ、そのおまけとしてキャンペーンや宣伝ツールとして使用できます。ただし、繰り返しますがこの場合はしっかりとお客さんの承諾を得てからの話になると思います。
また、さらにボット同士を組み合わせて、予約管理しているGoogleスプレッドシートをから直近の予約状況をAlexaに聞いて回答してくれるようなボットも構築することができます。
その他の事例
以下はボット単独によるものだけではないですが、以下のようなボットをこれまでに構築したことがあります。
- 社内コミュニケーションのために使用しているSlackで全体の予定を毎日定刻にリマインドしてくれるボット
- Alexaに呼びかけることで特定の処理を実行するボット(次のお客さんの予約時間を教えてもらうなど)
- 画像を投稿するだけでその画像内の文字を抽出してGoogleスプレッドシートに登録してくれるボット
- 受付窓口にてQRコードを読み取り機にかざしてもらってお客さんや生徒の到着を通知してくれるボット
まとめ
上記は一例となり、業務効率化やお客さんの増加を保証できるものではありませんが、もしご興味がある方はお気軽にご相談させてください。