Sub-process /usr/bin/dpkg returned an error code を解決する手順
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はじめに
Ubuntuでapt upgrade
したところSub-process /usr/bin/dpkg returned an error code (1)
というエラーがでました。この記事では、このエラーの解決策をまとめます。
前提と環境
以下の通りとなります。
- OS : Ubuntu18.04
エラーが発生するまでの経緯
はじめに、Sub-process /usr/bin/dpkg returned an error code (1)
が出るまでの経緯をメモしておきます。解決策だけ必要な方はとばしてください。
まずapt upgrade
をいつも通りに実行したところ、以下のようなエラーが表示されました。
上記の指示通りにsudo dpkg --configure -a
を実行したところ、以下のようなエラーが表示されました。
どうやらmysql-server-5.7
関連でエラーが出ていることが分かります。
そして適当に改めてapt upgrade
を実行してみたところ、問題のSub-process /usr/bin/dpkg returned an error code (1)
が出ました。
このエラーは、以上の作業を行った場合だけでなく、apt update
の実行時やapt install
で新しくパッケージをインストールしようとした場合にも発生することがあります。
原因と解決策
原因は、何かしらの理由でインストール、またはアップデートしようとしたパッケージが壊れてしまったためです。壊れているというのは、例えばパッケージが使用するライブラリの依存関係が干渉してしまったり、整合性が取れなくなったりする場合です。今回の私のケースでは、おそらくアップデート中にインターネット接続が切断されてさらにフリーズしてしまい、パッケージの操作が意図せず中断しまったことで壊れてしまったと考えられます。考えられる解決策としては以下があります。
- 該当パッケージを完全にインストールし直す
- 該当パッケージを再構成する
- 該当パッケージに関する一時ファイルを削除して再インストール、アップデートする
それぞれについて以降で説明します。
該当パッケージを完全にインストールし直す
もしすでに使っているアプリやパッケージではなく、新しくインストールしようとしていたものならば、一度全て削除して再度インストールし直すことで修復できる可能性があります。
例えば、mysql-server-5.7
を入れ直す場合ならば、以下のコマンドを実行します。
該当パッケージを再構成する
以下のコマンドで、壊れたパッケージとその依存関係を解決します。
該当パッケージに関する一時ファイルを削除して再インストール、アップデートする
今回の私のケースではこの方法で解決に至りました。
Ubuntuでは/var/lib/dpkg/info
配下に、パッケージのインストール前、インストール後に実行するためのスクリプトファイルや、その他パッケージに関する情報を含むファイルが置かれています。そしてこのディレクトリにある問題のパッケージ(ここではmysql-server-5.7
)のpreinst
とprerm
(インストール前用スクリプトファイル)、postinst
とpostrm
(インストール後用スクリプトファイル)の削除します。その後でapt update
やapt upgrade
が正常に実行できるようになりました。
具体的には、以下のコマンドを実行します。
mysql-server-5.7.post*
は、ワイルドカードによる指定でファイル名にmysql-server-5.7.post
が付くもの全てという意味です。mysql-server-5.7.pre*
も同じです。そしてこれらを/tmp
に移動します。/tmp
に移動しているのは、本当は削除すればいい場合でも念の為に一時退避する意味です。なお、/tmp
は設定によっては一定時間で自動削除されるようになっている場合も多いので、確実に確保しておきたい場合は他のディレクトリに一時退避してもいいかもしれません。
上記を実行後、apt upgrade
を問題なく実行できました。
まとめ
備忘録のためにまとめました。同様のエラーに遭遇している方の助けに少しでもなれば幸いです。
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