Ubuntuでコマンドを使ってWordファイルをPDFに変換する
はじめに
UbuntuでWordファイル(.doc、.docx)を扱う際にはLibre Office Writerを使用していますが、Libre Office Writerにはコマンドツールも用意されており、これを使用することでWordファイルをPDFファイルに変換することができます。コマンドを使用できることで、大量のWordファイルをPDFファイルに一括変換する場合などに威力を発揮します。この記事では、Libre Office Writerのコマンドラインツールを使ってWordファイルをPDFファイルに変換する方法をまとめます。
前提と環境
以下になります。Libre Officeはおそらく多くのLinuxディストリビューションでデフォルトでインストールされていると思います。
- OS : Ubuntu18.04
- Libre Office : ver 6.0.7.3
Libre Officeのバージョンは、以下のようにlibreoffice
コマンドで確認できます。
$ libreoffice --version
LibreOffice 6.0.7.3 00m0(Build:3)
lowriterコマンドを使用してWordファイルをPDFファイルに変換する
LibreOfficeにはWriter以外にもCalcやImpressがあり、それぞれコマンドから操作できるようになっています。今回使用するWriterのコマンドは、lowriter
というコマンドです。この「lo」はLibreOfficeの省略であり、Calc操作用のコマンドはlocalc
となります。そしてこれらはlibreoffice
コマンドのエイリアスであるため、以下のようにlowriter
でバージョンを確認してももちろんlibreoffice
を使った場合と同じ結果が返ってきます。
$ lowriter --version
LibreOffice 6.0.7.3 00m0(Build:3)
最も簡単な変換方法としては、以下のコマンドになります。
$ lowriter --convert-to pdf filename.doc
docxも同様に変換できます。
$ lowriter --convert-to pdf filename.docx
一括変換したい場合は、以下のようにワイルドカードを使用します。現在いるディレクトリ下にある全てのdocファイルをPDFファイルに変換します。
$ lowriter --convert-to pdf *.doc
Could not find a Java Runtime Environment という警告がでる場合
上記コマンドを実行した時に以下のような警告が出る場合があります。ただし、WordファイルからPDFファイルへの変換は問題なく実行されています。
$ lowriter --convert-to pdf myfile.doc
javaldx: Could not find a Java Runtime Environment!
Please ensure that a JVM and the package libreoffice-java-common
is installed.
If it is already installed then try removing ~/.libreoffice/3/user/config/javasettings_Linux_*.xml
Warning: failed to read path from javaldx
convert /home/username/Downloads/myfile.doc -> /home/username/Downloads/myfile.pdf using filter : writer_pdf_Export
上記はパソコンにJavaがインストールされていないことが原因です。上記警告を無視しても私の使用範囲では問題なく変換はできました。少々どのような場面でどれぐらいの影響がでるか確認できていませんが、気持ち悪い方は以下のようにJavaをインストールすれば警告は出なくなります。
$ sudo apt install openjdk-8-jre
まとめ
変に崩れたりするかなと少し心配でしたが、意外にも普通に綺麗に変換できちょっとした時に便利になりそうです。
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