UbuntuでQPDFを使ってPDFをパスワード保護する方法
はじめに
UbuntuでPDFにパスワードを設定するには、QPDFというパッケージを使用します。この記事では、QPDFのインストール方法とパスワード設定方法をまとめます。
前提と環境
- OS : Ubuntu18.04
QPDFについて
QPDFは、UbuntuだけでなくWindowsや他のディストーションでも使用できるPDF操作用のパッケージです。QPDFはコマンドラインツールですが、QPDFを使用することでパスワード保護を設定する以外に回転させたり、結合したりすることができます。以下がQPDFの公式リポジトリになります。
また、日本語のドキュメントとしては以下が参考になりました。
QPDF は PDF ファイルの内容を維持したまま構造的な変換を行うコマンドラインプログラムで,pdf-to-pdf とでも呼ぶべきものです.PDF 生成ソフト開発者や PDF の中身を覗き見たい人たち向けにも有用な機能を提供し,これらは PDF がどのようなものかを学ぶために役立ちます.
UbuntuにQPDFをインストールする
Ubuntuではapt
経由でQPDFをインストールできます。
$ sudo apt update
$ sudo apt install qpdf
以上でQPDFのインストールは完了です。
QPDFを使ってPDFにパスワード保護をかける
まず1番基本的なパスワード保護のためのコマンドは以下になります。
$ qpdf --encrypt ユーザ用パスワード オーナー用パスワード 暗号化レベル(暗号化鍵長) -- 入力元.pdf 出力結果.pdf
以下に実例を載せます。
$ qpdf --encrypt userpass ownerpass 40 -- mypdf.pdf output.pdf
上記を実行すると、mypdf.pdf
というPDFファイルにパスワード保護がかかった状態のoutput.pdf
というPDFファイルを生成します。パスワードは、PDFファイルの作成者(オーナー)ならばownerpass
、それ以外のユーザならばuserpass
となります。
実際にoutput.pdf
を開こうとすると、以下のようなウィンドウが表示されパスワードを保護されていることを確認できます。
機能制限をかける
PDFファイル自体にパスワード保護をかける以外にも、編集、イメージやテキストの抽出、印刷、注釈といった機能に対する制限をかけることもできます。具体的には、以下のオプションを設定することで機能制限をかけることができます。
オプション名 | 内容 |
---|---|
印刷機能の制限可否。値としてy (yes、許可)、n (no、非許可)のどちらかを設定可。 |
|
--modify | 修正機能の制限可否。値としてy (yes、許可)、n (no、非許可)のどちらかを設定可。 |
--extract | 抽出機能の制限可否。値としてy (yes、許可)、n (no、非許可)のどちらかを設定可。 |
--annotate | 注釈機能の制限可否。値としてy (yes、許可)、n (no、非許可)のどちらかを設定可。 |
もし上記全ての機能を制限したい場合は、以下のようなコマンドになります。
$ qpdf --encrypt userpass ownerpass 40 --print=n --modify=n --extract=n --annotate=n -- mypdf.pdf output.pdf
暗号化レベルを高くする
暗号化レベル(暗号化鍵長)は、40
、128
、256
の3つが選べます。256
が最も強力になります。256
に設定したい場合は以下のようにします。
$ qpdf --encrypt userpass ownerpass 256 -- mypdf.pdf output.pdf
また、機能制限ももちろんかけることができますが、40
の場合とは使用できるオプションと内容が異なります。128
、256
の場合でもそれぞれ使用できるオプションが異なります。
詳しくは、以下の公式ドキュメントに記載されています。
QPDF is a program that does structural, content-preserving transformations on PDF files.
まとめ
PDFにパスワード保護をかけたい時にさっと実行できるので便利です。
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