Rclone Browserを使ってLinuxでOneDrive、Google DriveなどのクラウドストレージをGUIで使用する
はじめに
Linuxでは公式に用意されているクラウドストレージアプリは多くありません。ただ、rcloneとRclone Browserを使用すれば、色々なクラウドストレージを便利に使用できます。ここでは、Rclone Browserのインストール手順と簡単な使い方をまとめます。
環境
Rclone Browserは、Windows、macOSでも使用できますが、ここではUbuntu18.04を前提とします。 なお、rcloneをコマンドラインツールとして使いたい場合は、以下にまとめていますので必要なかたは見てみてください。
rcloneというものを見つけて使い始めてみたのでメモします。なお、この記事ではBoxを使うことを前提とし、ローカルのUbuntuからrcloneを使ってBoxのファイルをローカルにコピーしたり、マウントしたりするところまでをメモします。
Rclone Browserをインストールする
事前準備として、以下のライブラリをインストールします。
$ sudo apt install git g++ cmake qtbase5-dev
また、apt
経由でインストールするrclone
はバージョンが古いため、rclone本体を以下のコマンドでインストールしておきます。
$ curl https://rclone.org/install.sh | sudo bash
続いて適当なディレクトリにRclone Browserのリポジトリをダウンロードします。ここではホームディレクトリ直下にダウンロードします。
$ git clone https://github.com/kapitainsky/RcloneBrowser.git
RcloneBrowser
というディレクトリが作成されているので、そこに移動します。
$ cd RcloneBrowser
移動したらbuild
ディレクトリを作成してそこに移動します。
$ mkdir build && cd build
build
ディレクトリでcmake
を実行します。
$ cmake ..
最後にビルドします。
$ cmake --build .
// (途中略)
[ 97%] Building CXX object src/CMakeFiles/rclone-browser.dir/qrc_resources.cpp.o
[100%] Linking CXX executable ../build/rclone-browser
[100%] Built target rclone-browser
ビルドが完了したら、続いて以下のリポジトリから最新のdebパッケージをダウンロードして開きます。
2019年9月時点ではrclone-browser_1.4_amd64.deb
というファイル名でした。これをダブルクリックして開くと、以下のようなウィンドウが開くので「インストール」をクリックします。
以上でRclone Browserのインストールが完了です。
Rclone Browserを使う
インストール後、アプリメニューから「rclone」で検索すると、以下のようにRclone Browserのアイコンが表示されるのでクリックして起動します。
起動すると以下のようなウィンドウが開きます。
ウィンドウ内下部にある「Config...」をクリックすると、以下のように端末が開き、ここから設定を行っていきます。
なお、設定手順は、以下の記事にまとめていますので必要な方は見てみてください。
設定が完了すると、以下のようにRclone Browserに追加したクラウドストレージが表示されます。以下の「boxremote」は私が勝手に付けた名前です。もし設定完了後でも表示されていない場合は、「Refresh」ボタンをクリックしてみてください。
後は以下のように追加したクラウドストレージをクリックした状態で、「Open」をクリックします。
以下のように、クラウドストレージ内のフォルダ、ファイル一覧が表示されます。また、「Mount」ボタンをクリックして、適当なマウント先を指定すれば、ローカルのファイルマネージャーからもクラウドストレージを開けます。ただし、マウント先は必ず空のディレクトリを指定してください。ファイルが消えてしまいます。
まとめ
rcloneとRclone BrowserにとってあらゆるクラウドストレージをLinuxでもGUIで扱えるのでかなり便利です。
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