Ubuntu18.04にFlutterの開発環境を構築する手順

はじめに
Flutterは、Googleが開発しているモバイルアプリケーションフレームワークです。Flutterを使ってモバイルアプリケーションを開発することで、iOSとAndroidの両方で動作するアプリを単一のコード(Dartという言語を使用)から構築することができます。この記事では、Flutterによる開発環境をUbuntu18.04上に構築するための手順についてまとめます。
できるようになること
Ubuntu18.04上にFlutterの開発環境を構築します。この記事では実際にAndroidの実機上でサンプルプログラム等を動作させるところまでは載せていません。
前提と環境
以下の通りです。
- FlutterをインストールするOS:Ubuntu18.04
- Android Studio、もしくはVisual Studio Codeのいずれかをインストール済とする
事前準備
基本的な手順は公式ドキュメントに従って行います。
まず、FlutterをUbuntuにインストールするにあたって必要な要件が公式ドキュメントに記載されています。
- Operating Systems: Linux (64-bit)
- Disk Space: 600 MB (does not include disk space for IDE/tools).
- Tools: Flutter depends on these command-line tools being available in your environment.
- bash
- curl
- git 2.x
- mkdir
- rm
- unzip
- which
- xz-utils
- Shared libraries: Flutter test command depends on this library being available in your environment.
- libGLU.so.1 - provided by mesa packages e.g. libglu1-mesa on Ubuntu/Debian
上記にあるようにいくつか事前にインストールが必要なパッケージがありますが、すでにUbuntuを開発用に使用している場合はインストール済の場合だと思います。もし足らないパッケージがある場合は、apt
経由でインストールしておきます。例えば、xz-utils
とlibglu1-mesa
がないのであれば以下のようにインストールします。
入っているか不明なパッケージがあれば、一度apt
でインストールして確認してみてください。
Flutterをダウンロードする
冒頭に載せた公式ドキュメント内に、以下のようにFlutterのダウンロードボタンがあるのでそれをクリックしてダウンロードします。2019年5月2日時点ではflutter_linux_v1.2.1-stable.tar.xz<
というファイルがダウンロードできます。
もしくは、wget
などでダウンロードしてもOKです。
以下が実行結果です。
続いてダウンロードしたファイルを適当なディレクトリに解凍します。ここでは、ホームディレクトリ以下の~/workspace/development
というディレクトリ下に解凍します。
上記で解凍すると、flutter
というディレクトリが~/workspace/development
に解凍されます。
次にflutter
ディレクトリへのパスを~/.bashrc
の末尾に追記します。ここでは~/workspace/development/flutter/bin
へパスを通していますが、flutter
ディレクトリを設置した場所に読み替えてください。
source
で~/.bashrc
を再読込して反映します。
公式ドキュメントでは、必要ならば以下を実行するよう書かれていますが、こちらはインターネットに自由に接続できないなどの環境の場合に事前に必要なパッケージをダウンロードするためのものになります。
動作確認としてflutter
コマンドを実行してみると、使い方が表示されます。
Flutterの環境チェックを行う
ここでFlutterの開発環境構築に必要な他のステップを確認するために、doctor
コマンドを実行します。
doctor
コマンドの結果として以下が表示されます。
見てわかるとおり全て罰がついていますが、どのような対応が必要かも丁寧に記載されているため簡単に修正可能です。
✗ Downloaded executables cannot execute on hostへの対応
flutter doctor
の実行結果に記載があるとおり、lib32stdc++6
というパッケージをインストールします。
✗ Android licenses not accepted対応
以下のコマンドを実行して、利用規約を確認します。何度かAccept? (y/N):
と表示されて利用規約に同意するか確認されるので、よければy
と入力してEnterを押して進めます。
最終的に、以下のようにAll SDK package licenses accepted
と表示されれば完了です。
✗ Flutter extension not installed
Android Studioについて以下の2つに✗ついています。
これはAndroid StudioにFluterとDart言語のプラグインがインストールされていないという警告です。Android Studioを開発用に使いたい方は対応が必要です。
インストールは簡単です。はじめに、Android Studioを起動し、以下のようにメニューの「File」から「Settings」をクリックします。
すると以下のようなウィンドウが開くので、左側のリストから「Plugins」をクリックして、検索バーに「flutter」と入力します。すると以下のようにFlutterのプラグインが表示されるので「Install」をクリックします。
プラグインによって作成するアプリに関する情報がプラグイン提供者に取得される可能性があるが問題ないかという確認がでるのでよければ「Accept」をクリックします。
Dart用のプラグインも一緒にインストールするがOKかという確認がでるのでよければ「Yes」をクリックします。
プラグインのインストールが完了すると、以下のように「Restart IDE」というボタンが表示されるので、これをクリックしてAndroid Studioを再起動します。
再起動するという確認ができるので「Restart」をクリックします。
以上でAndroid Studioへのプラグインのインストールは完了です。
✗ Flutter extension not installed
Microsoft社のVS CodeにFlutter用の拡張機能がインストールされていないという意味です。VS Codeを開発用に使いたい方は対応が必要です。 よってFlutter用の拡張機能をインストールします。VS Codeを開いて以下のように拡張機能検索バーで「flutter」と入力し、インストールします。
以上で完了です。
! No devices available
これはiOSまたはAndroidがインストールされた実機がパソコンに接続されていないという警告ですので、USBケーブルなどで接続します。UbuntuではAndroid実機のみ対応可能です。
最終的に以下のようになれば完了です。Android Studio、VS Codeのどちかは未対応でも問題ありません。
以上でFlutterの開発環境の構築は完了です。
まとめ
公式ドキュメントが充実していることもあり環境構築自体は思っていたよりも簡単に進められると思います。関連記事
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