wordpressでプラグインを使わずにフォームを自作する手順

はじめに
wordpressではフォーム用のプラグインが多くあります。通常であればこれらのプラグインを使用してお問い合わせフォームやお申し込みフォームを構築することが多いと思います。ただ、プラグインではなく自前でフォームを構築しなければならない場面があるかもしれません。そのような場面のために、wordpressでお問い合わせフォームを自作する手順をメモしておきます。
やりたいこと
はじめに何をできるようにしたいかをまとめておきます。 今回はwordpressのテーマに沿った形で単純なお問い合わせフォームを自作します。 なお、自作といってもお問い合わせフォームの部分は以下のGitHubで公開されているものを使用させて頂きます。デモも公開されており、どういうお問い合わせフォームをつくるかも容易に把握できると思います。大変参考になりました。作成者様には感謝です。
kobebeauty/php-contact-form | GitHub上記のお問い合わせフォームをwordpressに組み込んで動作させるために必要な手順を以下にメモします。
以下に上記で公開されているお問い合わせフォームの概要をのせておきます。
- 入力→確認→完了画面のようにページ遷移があるお問い合わせフォーム
- 入力画面では「名前」、「メールアドレス」、「お問い合わせ内容」の3項目の入力フォームを用意し、各項目でバリデーション
環境と前提について
環境は以下です。
- OS : OS X El Capitan ver 10.11.3
- wordpressの動作環境 : MAMP 3.0.7.3を使用
- wordpress : ver 4.4.2
- wordpressで使用するテーマ : Twenty Sixteen
子テーマを作成
これからの作業でTwenty Sixteenのテーマファイルを直接修正しないようにするために子テーマを作成しておきます。といっても、非常に簡単です。
子テーマとは?という場合は以下のサイトに非常に分かりやすく書いてあり見ればすぐに分かると思います。
WordPressテーマをカスタマイズするなら子テーマを使った方が良い理由、使い方など | 寝ログ
子テーマ用フォルダとファイルを作成する
子テーマを作るためにはじめに子テーマ用のフォルダを「theme」フォルダ直下に作成します。ここでは子テーマの名前を「twentysixteen-custom」とし、同名のフォルダを以下のように作成します。
続いて作成した「twentysixteen-custom」フォルダの中に、子テーマとして最低限動作させるために必要な「style.css」と「function.php」を作成します。「style.css」と「function.php」の中身はそれぞれ以下のようにします。なぜ以下のようにするかは上で紹介したサイトに分かりやすく書かれているので省略します。
これで子テーマの準備は完了です。この時点で子テーマ「twentysixteen-custom」フォルダ内は以下の様になっています。
上記の子テーマ「twentysixteen-custom」フォルダ内に、冒頭で紹介したお問い合わせフォームのソースコードを入れておきます。以下のように、contact
フォルダをそのまま「twentysixteen-custom」フォルダに入れておきます。
お問い合わせフォーム用の固定ページを作成する
作業としては、お問い合わせフォームで必要な入力画面、確認画面、完了画面、エラー画面の4つの固定ページを作成するだけになります。ただし、各固定ページではそれぞれの独自のページテンプレートを適用します。詳しくは後述します。なお、1ページだと長くなってしまうため、3ページに分けています。
入力画面用の固定ページを作成する
まずはじめに、入力画面の固定ページを作成します。この入力画面は冒頭で紹介したお問い合わせフォームのソースコード内にあるindex.php
に対応します。このindex.php
を使って固定ページを作成します。
固定ページ作成の流れは以下のようになります。
- ページテンプレートを作成 wordpressでは独自のページテンプレートを作成して固定ページに適用できます。ページテンプレートを作成して、それを固定ページに適用します。なお、独自のページテンプレートの作成と固定ページへの適用方法についてはwordpressで独自のページテンプレートを作成して固定ページに適用するための手順に別途まとめたので参考にして頂ければと思います。
- 作成したページテンプレートを固定ページに適用
入力画面用のページテンプレートを作成する
Twenty Sixteenのテーマフォルダにある、固定ページ用のテンプレートファイルpage.php
に、index.php
の内容を追加・修正して入力画面用のページテンプレートを作成します。ページテンプレートのファイル名はcontact-index.php
として、子テーマフォルダtwentysixteen-customに置きます。
はじめにページテンプレートのソースをのせます。index.php
の内容をpage.php
に組み込んでいるだけです。
コード自体は少し長くなっていますが、新しいコードはほとんどありません。page.php
の一部をindex.php
と置き換えただけになります。
上記のコードにindex.php
の引用部分を書いていますが、他の変更点は以下になります。
contact-index.php
の冒頭でTemplate Name :contact-index
を記述- 以下のコードを追記
- 以下の部分で確認画面のURLを指定
上記のコードは固定ページのタイトルを取得しています。
お問い合わせフォームで入力した内容確認のために表示する確認画面のURLを指定します。まだ確認画面の固定ページを作成していないので、後ほどここで指定したURLに合わせて確認画面の固定ページを作成します。
上記のcontact-index.php
を以下のようにtwentysixteen-customのテーマフォルダに置いて、後はwordpressの管理画面から固定ページへ適用します。
入力画面用のページテンプレートを固定ページに適用
ここでは、以下のように「お問い合わせ」というタイトルで固定ページを新規追加し、作成したcontact-index.php
を適用します。以下の画像の1つ目の赤枠の通り、URLとしてhttp://localhost:8888/testsite/contact/
と指定していますが、このURLを次に作成する確認画面で使用します。また、2つ目の赤枠のように、「ページ属性」→「テンプレート」で、作成したページテンプレートcontact-index
を適用しています。
そして実際にこの固定ページにアクセスしてみると、以下のように表示されます。
これでお問い合わせフォームの入力画面が完成しました。後は、上記と同じ手順で確認画面、完了画面、エラー画面用の固定ページを作成するだけになります。
確認画面用の固定ページを作成する
入力画面の場合と同様に、ページテンプレートの作成と固定ページへの適用という作業で確認画面用の固定ページを作成します。
確認画面用のページテンプレートを作成する
page.php
に、confirm.php
の内容を組み込む形で確認画面用のページテンプレートを作成します。内容は以下のようにします。
上記のコードのコメントに書いているconfirm.php
の引用部分以外の変更点は以下になります。
contact-confirm.php
の冒頭でTemplate Name :contact-confirm
を記述- 以下の部分でエラー画面のURLを指定
- 以下の部分で完了画面のURLを指定
- 上記の95行目で入力画面のURLを指定
お問い合わせフォームの送信失敗時に表示するエラー画面のURLを指定します。ここで指定したURLをエラー画面用の固定ページ作成時に使います。
お問い合わせフォーム送信完了後に表示する完了画面のURLを指定します。まだ完了画面の固定ページを作成していないので、ここで指定したURLに合わせて完了画面の固定ページを作成します。
上記のように、戻るボタンで戻る先となる固定ページのURLを指定する必要があります。ここでは、入力画面のURLである/testsite/contact/
を指定しています。各環境に合わせて変更してください。
なお、このお問い合わせフォームではお問い合わせがあったことを知らせるメールを指定したメールアドレスへ自動送信できます。そしてそのメールアドレスは、contact
フォルダ内のcommon
フォルダの中にあるinit.php
で設定できるので、各環境に合わせて変更してください。また、同じフォルダ内のutility.php
では自動送信するメールの内容を返す関数などがあるので、これを修正することで色々とできます。また、validate.php
は入力項目のバリデーション用の関数が記述されています。
上記のcontact-confirm.php
を以下のようにtwentysixteen-customのテーマフォルダに置いて、後は固定ページへ適用します。
確認画面用のページテンプレートを固定ページに適用
以下のように「お問い合わせ内容のご確認」というタイトルで固定ページを新規追加し、作成したcontact-confirm.php
を適用します。以下の画像内の1つ目の赤枠のように、確認画面のURLとしてhttp://localhost:8888/testsite/contact-confirm/
を指定しています。なお、当然ながらここで指定したURLはcontact-index.php
で指定した確認画面のURLと同じ必要があります。また、2つ目の赤枠のように「ページ属性」→「テンプレート」で作成したcontact-confirm
を適用しています。
そして実際に入力画面からフォーム入力して確認ボタンを押してこの画面にアクセスしてみると、以下のように表示されると思います。なお、contact-confirm.php
の中で、入力内容がない場合はエラー画面に遷移するよう指定しているため、この固定ページをプレビューしてもエラーが表示されてしまいます。
なお、このお問い合わせフォームではバリデーション機能もあり、入力項目が空でないか、メールアドレスの形式が正しいかなどのチェックを行えます。試しに何も入力しない状態で「確認する」ボタンを押すと、以下のようにエラーメッセージが表示されます。
続いて完了画面とエラー画面用の固定ページを作成します。
完了画面用の固定ページを作成する
入力画面、確認画面と同じ手順で完了画面用の固定ページを作成します。
完了画面用のページテンプレートを作成する
ページテンプレートのファイル名はcontact-done.php
として、以下のようにします。
完了画面は特に修正点はなく、単純にdone.php
の一部をpage.php
に追加しただけになります。
以下のようにcontact-done.php
をtwentysixteen-customのテーマフォルダに置いて、後はwordpressの管理画面から固定ページへ適用します。
完了画面用のページテンプレートを固定ページに適用
以下のように「お問い合わせありがとうございました」というタイトルで固定ページを新規追加し、固定ページのURLはhttp://localhost:8888/testsite/contact-done/
、テンプレートをcontact-done
にしています。
そして実際にこの固定ページにアクセスしてみると、以下のように表示されると思います。
あとはエラー画面用の固定ページを作成して完了です。
エラー画面用の固定ページを作成する
最後にエラー画面用の固定ページを作成します。
エラー画面用のページテンプレートを作成する
ページテンプレートのファイル名はcontact-error.php
として、以下のようにします。
上記もerror.php
の一部をpage.php
に追加しただけになります。
以下のようにcontact-error.php
をtwentysixteen-customのテーマフォルダに置いて、後はwordpressの管理画面から固定ページへ適用します。
エラー画面用のページテンプレートを固定ページに適用
以下のように「お問い合わせでエラーが発生しました」というタイトルで固定ページを新規追加します。固定ページのURLはhttp://localhost:8888/testsite/contact-error/
、テンプレートをcontact-error
にしています。
そして実際にこの固定ページにアクセスしてみると、以下のように表示されると思います。
これで必要な固定ページの作成は全て完了しました。
まとめ
長くなりましたが、基本的に同じ作業を繰り返しているだけになります。ここでは最低限のお問い合わせフォームでしたが、これをベースにカスタマイズすることで色々なお問い合わせフォームを作成できると思います。見た目についても、任意のcssを読み込ませたりすることで自由に変更できます。
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